場所:天神IMS(イムズ) 10F 会議室
ゲスト :
有山達也 / アートディレクター「雲のうえ」
赤星豊 / 編集長「Krash japan」
長友啓典 / アートディレクター「もっといいこと。」
モデレーター :
林 洋介 (デザイナー/14sd)

「kune:l」や「雲の上」のアートディレクションをしている有山達也氏とフリーライターとして「BRUTUS」「POPOYE」に携わり現在、倉敷で「Krash japan」というフリーペーパーを発行している赤星豊氏。そして、日本を代表するデザイナーであり、全頁ハングル語で日本を紹介しているフリーペーパー「もっと、いいこと」を手掛けている長友啓典氏。匆々たるメンバーによるトークイベントが開催された。今回のテーマは「街を伝えること」。そんなイベントあってたなんて、知っていたら忌引き使ってでも早退してきたのに!という方がいるかもしれないので、自分がどうこう言うよりは、何を言っていたのか、記憶に残った言葉を抜粋してご紹介しようと思う。

■「どこを伝えたら面白いか、ではなく、自分たちが見て何が面白かったか。で、(雲の上の)テーマを決めています」有山氏
■「自分のセンスを信じて、クライアントにすら何も言わせないようにしていますね」赤星氏
■「被写体の素の表情がでている写真は、スタッフが素でいるから。だから良いんです。それは見ている方にも伝わると思います。赤星さんが創る雑誌にも、赤星さんの情熱が伝わる。それがいいんですよね」長友氏
■「街を元気にする、って、なんかおこがましいかなと思う。ある読者からのハガキに、雲の上の感想ではなく、雲の上を読んで自分の里を思い出した想い出話を書いてきた人がいるんです(笑)。そんなことでいいな。またハガキだしてなくても、読みながら思い出してくれてる人がいる。そんなことでいいかな」有山氏
■「(今回のテーマの)意にそぐわないかもしれませんが、街を元気にするということを雑誌でできるとは思ってないんです。ただ、雑誌を手に取ってくれる人がいる。それだけでいいんです。感想をメールやハガキでくれなくても、手にとってくれる人がいて、その瞬間、思ってくれる人がいたらいい、と思っています」赤星氏
■「基本はね、“たまたま”なんですよ。“たまたま”を通りすぎるか、キャッチするか、自分のみる目ですね。ひろう視点が大事。その代わり、その“たまたま”を良く見せようとする時間と労力は惜しまない」赤星氏
■「師匠に教えられたことが一つだけあって。それが“一に体力、二に体力、三四がなくて五に体力”。肉体的にも、精神的にも、体力が大事だと。若い頃にはね、この人何いってんだろうって思ってたんだけど。長く続けていると分かるんですよね。好奇心を原動力にして動いていかないとね。今はそう思ってますよ」長友氏
■「場所が変われば、デザインが変わる。それは見えるモノも、感じるモノも違うから」有山氏
■「街のここがダメだの、元気ないの、こっち(福岡が)言っとったらダメなんですよ。気をはってないと一気に落ち込むから。さっき言ったけど、そこは体力で。盛り上げていかないとね。デザイニングも4回だ5回だで気がゆるむ時だから、こういのをもっともっとやっていかないと。10回は続けなさい。そうすれば、designing自体がいい本になると思いますよ」長友氏
などなど。制作の裏側でのエピソードや依頼者からの一言などを交えながら、2時間はあっと言う間に過ぎていった。さらに、軽食&ワンドリンクつきの交流会。これで1000円だったのだから、デザイニング、太っ腹にも程がある…うれしいが。デザイニングはしれーとビックネームを連れてくる傾向にある。注意しておこう。
「消えていきそうだから記録しておきたかった」という赤星氏の言葉には、消えていってほしくない、という抵抗ではなく、変わりゆく風景を残しておきたい、雑誌を通して、場所の想い出を共有しようという想いがあった。だからこそ、見る人の誰もがアルバムを眺めているかのように、想い出の記憶を揺らされるのだと思った。「街を伝える」には「街を愛する」ことが前提にある。たまたま出逢った街で、たまたま生まれた街で、自分が見て感じたことを表現する。そこには体力がいる。強くならなければ、改めてそう感じた。
ゲスト :
★有山達也 / アートディレクター「雲のうえ」
北九州:雲のうえ www.lets-city.jp/seen/kumonoue/
★赤星豊 / 編集長「Krash japan」
倉敷 (岡山) : Krash japan www.krashjapan.com
★長友啓典 / アートディレクター「もっといいこと。」
韓国/東京 : もっといいこと。www.sektone.net